残基間の相互作用(
水素結合)により、単なる直鎖であったペプチドが折りたたまれて(この畳み込みを
フォールディング(folding)と呼ぶ)
αヘリックス(螺旋)構造や
βシート構造などの二次構造をとり、さらにはタンパク質全体としての「三次構造」をとることになる。三次構造の中には二次構造の特定の組み合わせが見られ、このような単位を超二次構造と呼ぶ場合がある。また、三次構造の中でも、立体的に見てまとまった領域をドメインと呼ぶことがある。タンパク質の中には、複数(場合によっては複数種)の
ポリペプチド鎖がまとまって複合体を形成しているものがあり、このような関係を四次構造と呼ぶ。
タンパク質の機能は上記の三次構造・四次構造(立体構造)によって決定される。これは、同じアミノ酸の配列からなるタンパク質でも、立体構造(畳まれ方)によって機能が変わるということである。たとえば
BSEの原因となる
プリオンは、正常なプリオンとは立体構造が違うだけである。なお、多くのタンパク質では、
熱や
圧力を加えたり、溶液の
pH 値を変える、変性剤を加えるなどの操作により二次以上の高次構造が変化し、その機能(活性)を失う。これをタンパク質の
変性という。変性したタンパク質においては、
疎水結合、
水素結合、
イオン結合の多くが破壊され、全体にランダムな構造が増加したペプチド鎖の緩んだ状態になることが知られている。タンパク質の変性は、かつて不可逆な過程であると考えられてきたが、現在では多くのタンパク質において、変性は可逆的な過程である事が確認されている。なお、変性したタンパク質を元の高次構造に戻す操作をタンパク質の再生という。タンパク質の再生は、原理としては、畳み込まれたペプチド鎖を一旦完全にほどき、数時間かけてゆっくりと畳み込むよう条件を細かく調整・変化させることで行われている。