プロレタリアート wikipedia|無料辞書
◆歴史
古代ローマ時代の住民統計ケンス(:センサス→
国勢調査)で、自分の子供以外に富を生み出す
財産を持っていなかった
階層の人々を指すものとして用いられた
ラテン語の
Proles(英語:offspring)に由来する。
社会主義革命運動により資本主義体制が打倒され
社会主義体制となった国では、ブルジョワジーに代わりプロレタリアートが支配階級であるとされた(→
プロレタリア独裁を参照)。
他方、社会主義運動による革命が成立せず資本主義体制が存続した国々でも体制を維持するため、労働運動により高まる労働者の賃上げ・待遇改善要求に応じ、
参政権を資産の有無によって差別しない
普通選挙の実施と
福祉国家体制に移行した。この結果、賃金労働者であっても自宅
不動産や自動車などの
耐久消費財、さらには多額の
現金・
預金だけでなく資本家の証である
株式といった
出資証券までも含む
金融資産も保有するようになるとともに(→
新中間層も参照)、
議会にも自らの利益を代表する
議員を送り込めるようになったので、とりわけ
労働者の政治・経済的地位が向上した
経済先進国では「支配され従属した無産階級」という概念の実質は大きく掘り崩されるものとなった。
1989年に起きた
東欧革命と1991年の
ソ連崩壊で
ソビエト連邦や
東欧の主だった社会主義体制国家が崩壊し、資本主義体制下で存続していた
共産党をはじめとする数ある共産主義政党・社会主義政党も社会主義革命を目指した
政党綱領を放棄し、あるいは綱領中で党がもっぱらその利益を代表するとしたプロレタリアート概念を取り下げて、特定の階級を代表しない、いわゆる
国民政党へ転じたため、政治的に有意に用いられるのは存続した社会主義体制国家とその
支配政党にほぼ限定されるものとなった。
ただし、
新自由主義的な経済政策のもと、正規雇用にありつけず安定した生活が送れない多くの人々が生み出され、経済先進国に出現した新たな貧困層をプロレタリアートになぞらえて不安定なプロレタリアート=
プレカリアートと呼ぶようになり、この概念は姿を変えて存続している。
◆ 関連項目