気のすすまぬまま夕霧の婿となった匂宮だが、六の君の美しさのとりこになり、中君には次第に夜離れ(よがれ)が多くなる。こんなときには何かと相談相手になり慰めてくれるのは薫だったが、その同情はしだいに中君への慕情に変わっていった。ついにある夜、薫は思いを打ち明けて近づくが、懐妊の身の中君がいとおしくなり自制した。帰邸した匂宮は、中君に薫の移り香がするのを怪しみ、中君を問い詰めようとする。中君は薫の気持ちをそらそうとして、亡き大君に似た異母妹の
浮舟がいることを薫に教えた。匂宮は次第に中君のもとにいることが多くなった。