ヒトの精巣は、長径4〜5 cm程度の
卵型をしており、
下腹部にある
陰嚢(いんのう)と呼ばれる皮膚が袋状に垂れ下がった部位の中におさまっている。精巣の隣には
精巣上体(副睾丸)があり精巣で作られた精子はまずここに運ばれる。精巣上体には
精索(せいさく)というヒモ状の構造がつながっており、精巣へ出入りする
動脈、
静脈、
神経、および精子が通る
精管(せいかん)がその中を通っている。精索は、
鼠径部の鼠径管をとおって腹の中へとつながる。精巣と精索全体は、陰嚢の中で
精巣挙筋という腹筋の一部が変わった筋肉につつまれ、ぶらさがっている。精巣挙筋が収縮すると、精巣は
腹部の方へと引き上げられる。平均的に右側に片寄っていることが多い。
精巣の中には、
精子を作る場である
精細管(せいさいかん)と呼ばれる直径数百μmの管が蛇行しながらびっしりと詰まっており、その管の内側で精子の元になる
精祖細胞(精原細胞)が
減数分裂を経て、精子になる過程(精子発生、あるいは精子形成)が起こっている。出来上がった精子は、管の中を流れていき、精巣の端に集められ、精巣の隣の精巣上体へと運び出され、そこで成熟し、
射精を待つ。精子発生は、体温よりも温度が低くないとうまく進まないことが知られている。精巣が陰嚢の中にあり、体外にぶら下がっているという構造は、精巣の温度を体温より低く保つのに役立っている。そのため静脈血(比較的低温)が動脈血(体温)に巻きつく様に位置している。
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精巣がん - 精巣に悪性の腫瘍ができる疾患で、若年者にも多い。自覚症状は少ないが、
睾丸が急に肥大化かつ硬化するので発見は容易である。検査・診断も容易で、医師の触診と
超音波検査、
血液検査でほぼ見つけることができる。(確定診断は、摘出後の組織検査によることが多い。)進行の早いのが特徴だが、約7割のもの(比率には各種統計により異同がある)は悪性腫瘍の中ではきわめてたちがよく、早期に発見し適切に処置(摘出およびその後の
放射線照射)しさえすればほぼ完全に治る。まれに肺や骨に
転移することもあるが、
化学療法が非常に有効で完治する。残り約3割の
予後はよくない。