辮髪(べんぱつ、弁髪)は、
北東アジアの
民族の習俗で、頭髪を一部を残して剃りあげ、残りの毛髪を伸ばして編んだ
髪型。
満州族の前頭部を剃り後頭部を伸ばすスタイルが有名だが、
契丹族の頭頂部のみを残すスタイルや、
モンゴル族の両側頭部を残すスタイルなど、民族によりさまざまなスタイルの辮髪があった。
日本の
丁髷は同類と見る人も多いが、「髪を剃った残りの部分を編み上げる」辮髪と違って「束ね髪の脳天を剃ったもの」なので全くの別系統である。
19世紀までには辮髪は完全に普及し「中国的な風習」と見なされるようになり、辮髪をやめていた
太平天国の乱の民族革命軍を「長髪賊」と呼んで弾圧したほどである。しかしながら、
近代になると「反清」を標榜する証として辮髪を切る者も現れた。清朝の時代であった1911年まで「薙髪令」は続き、辮髪は民族としての義務となり、僧になり出家した者と禿頭(とくとう)以外でこの辮髪にしない者は死刑を含む処罰をされた。
実際の日常では、体を大きく動かす動作の際に辮髪が地面に触れて汚れたり邪魔にならぬよう、縄状の毛髪部分を衣服の襟首に巻き付けたり、鉢巻の様に頭に巻くことが多かったという。